姫子のいない冬。姫路市立動物園。
承前。
何かが根本的に間違っているような気がしてならない。
俺という存在が存在している事がそもそもの誤りだったのだ。
そうだろう、姫子。
と言っても、姫子はもういないのだ。
という事で、一年ぶりの姫路市立動物園。
寝カンガルー。
寝カバ。
写真では伝わり難いが、アルマジロが小さな足でトコトコとせわしなく歩き回る姿は非常に可愛らしい。
ラクダ。
モモイロペリカン。
ゴイサギ。
ペンギンは皆泳ぎが達者で、泳ぎながら毛繕いのような事をしているペンギンもいた。
キリン。
君は見たことがあっただろうか!鹿の後頭部を!
ゴリタン親子。
アニメランド。後ろに姫路城。
UFOキャッチャー。
金で動く擬人化アンパン。
ソーシャル・ディスタンシング・休憩室。
小さい観覧車。
慰霊碑。
尊い動物たちをこんな狭い檻に閉じ込めて見世物にしてごめんなさい、と人類を代表して謝っておいた。
風姿花伝で世阿弥が「珍しきが花」と言ったように、人は珍しいものが好きである。
確かに動物園では日常生活では見ることの出来ない様々な珍しい動物が見られて非常に面白い。
しかし昨今、余剰動物や動物福祉など動物園にまつわる様々な問題が取り沙汰されている。
ええのかな、これで。
姫子はどう思う?
と言っても、姫子はもういないのだ。