好古園の写真と幻想即興雑記「アセスイマチクワガタの飼い方」
アセスイマチクワガタとは、街に生息していて、人間の額に張り付いて汗を吸い取るクワガタの事である。
殆どのアセスイマチクワガタは秋になると死んでしまうが、稀に生き残る事がある。
生き残ったアセスイマチクワガタは汗が吸えないので身体がナナフシのように萎んでしまい、口が蚊のように細くなり、蟻の尻から蟻酸を吸うようになる。
そのようになったアセスイマチクワガタをアセスワズと呼ぶ事もあるが。生物学上は同じ種である。
アセスイマチクワガタは6月から長くても10月頃までしか生きられません。
それに非常にデリケートな生物です。
だから飼うのはお勧めしません。
どうしても飼いたい、或いはその生態を間近で観察したいという人の為に飼い方を説明します。
アセスイマチクワガタは人間だと認識したものの額からしか汗を吸いません。
汗だけあればいいという問題ではありません。
ですので、飼育者が自らの額から汗を吸わせてあげるか、或いはそれが出来ない場合はマネキンを用意してください。
アセスイマチクワガタは注意深い生物なのでマネキンを本物の人間に見えるように服を着せたり、手足が少し動くような仕掛けを付けたりしてください。そして、そのマネキンの額に食塩水かスポーツドリンクを染み込ませたスポンジを貼り付けてください。
アセスイマチクワガタは一人の人間の額に長時間居座る事はなく、頻繁に乗り換えをします。
マネキン一体ではアセスイマチクワガタが乗り換え出来ないので、額に食塩水かスポーツドリンクを染み込ませたスポンジを貼り付けて服を着せた動くマネキンを最低でも二体は用意しましょう。
アセスワズになったアセスイマチクワガタは多量の蟻酸を必要とします。1シーズンで一つの蟻の巣を全滅させる程です。アセスワズになったら飼育は諦めてお別れしましょう。
生態系が破壊されるので繁殖させるのはやめましょう。