有明涅槃雑記

(ブログ)

今年の邦楽。2020。

今週のお題「自分にご褒美」

今年流行った邦楽などを見ていると、集合知グローバリズムや楽器や機材の進化のおかげで作曲や演奏面の技術は年々向上していると言えるだろう。

一方で、歌詞について言うと、性的なメタファーを組み込んだり狂人のふりをして過激な事を歌って衆目を集める傾向や、極めて個人的な恋慕の情や自己陶酔的な歌詞を弦楽器の秀逸なリフに乗せてナルシシズムの昇華を試みたりしているところなど、千年前から何も変わっていないなと思う。

歌などというものは発情期の雌猫や蝉が求愛の為に鳴くのと同じものだと思っているので、今年も色々あったけど、人類は健康なのだなと思う。

俺は音楽や歌が好きだが、普段は暇があればPodcastで英語のニュースや報道番組や法律関係の番組ばかり聴いているので最近はあまり音楽を聴いていない。

しかしどうしても音楽でも聴かないとやっていられないような気分の時にインターネットなどを使って音楽を貪るように聞き漁る事がある。

そんな過程で見つけた音楽の中から、今年、2020年に発表された邦楽で俺の気に入った楽曲を挙げてみようと思う。

macaroomと知久寿焼 『kodomono odoriko』

KODOMONO ODORIKO

KODOMONO ODORIKO

知久寿焼という人は昔「たま」というバンドをやっていて、今は解散してソロで音楽活動をしている人で、その知久さんと「macaroom」というエレクトロユニットが共同で「KODOMONO ODORIKO」というアルバムを制作した。 アルバムの内容は知久さんのソロ作品および「たま」時代の楽曲をエレクトロニカにアレンジした楽曲が9曲と、macaroomのアサヒという人が作詞作曲した表題曲「kodomono odoriko」と合わせて10曲という構成である。 どの曲も良いが、その表題曲「kodomono odoriko」が非常に良い。俺の知っている限りでは知久さんが他人が作詞作曲した曲を歌うのは珍しいと思うが、これが非常に知久さんの持つ世界観と調和していて素晴らしい。

赤い公園 『pray』

オレンジ / pray (特典なし)

オレンジ / pray (特典なし)

  • アーティスト:赤い公園
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: CD

俺はボーカルの石野理子さんの声が好きである。この曲は音域も曲調も石野理子さんの声や雰囲気によく合っている曲だと思う。歌詞も良い。赤い公園の楽曲はどれも洗練されていて素晴らしいものばかりだが、最近発表されたこの曲は特に良い。ここ最近はこの曲を朝の目覚めの時や昼の休憩時間や夜寝る前など合わせて毎日十回以上は聴いている。 こんなに素晴らしい楽曲を作った津野米咲さんは今年突然亡くなってしまった。本当に哀しい。まだ信じられない、受け入れたくない気持ちがある。 俺はこの曲に背中を押されながら、もう少し生きてみようと思う。